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全日農の当面する農業政策要求 6月10日に農水省に要請

意見書・要請書・見解など

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2014年06月13日

農水省 .JPG


全日農は6月10日に農水省で、TPPや農業政策についての要請を行った(写真)。要請書は以下の通り。

  要請書

 政府は、貴省の試算でも明らかなように農林水産業に大打撃を与えるTPP交渉を進めております。さらに、「農林水産業・地域の活力創造プラン」に基づいた農政を推進し、「食料・農業・農村基本計画」の見直しに着手するとしています。
 国民の食を贖うため、これまで営々と守ってきた農林水産業は存亡の危機を迎えていると言っても過言ではありません。このときにあたり、全日本農民組合連合会はTPPおよび農政に対する見解をあきらかにすると共に、今後の農政推進にあたり、農業・農村の再生に向けた施策として、下記のとおり要請します。

 記

1 農政全般について
(1) TPPについて  
  TPP交渉について政府は、重要5品目など国益は守るとして交渉に参加してきた。しかし、政府説明や報道によれば、すでに国会決議を踏み出した交渉が日米で行われていると断ぜざるを得ない。これ以上の交渉継続は国益を損なうだけである。国会を軽視することなく、決議に従って、政府はただちにTPP交渉から撤退すべきである。

(2)農業政策のあり方について
 「食料・農業・農村基本計画」の見直しにあたり、食料自給率向上を農政の柱に据えること。
 構造改革による従来の選別政策への逆戻りは、専業農家群をも一層の競争へと追いやり、農業の継続を脅かすことになる。選別政策でなく、経営所得安定対策など、施策の対象者をすべての農業者とすることを堅持し、多様な担い手が参画して、農業・農村の持続的発展が図られるようにすること。

(3)現行の再生産コストを踏まえ、安定的かつ持続的な生産体制を維持するための経営所得安定対策をすべての主要農畜産物において確立すること。
    とりわけ、日豪EPAの合意によって国内の畜産は存亡の危機に立たされている。マルキン制度の充実強化、生乳の価格補償制度等、経営安定と再生産可能な価格補填制度の確立を強く要請する。

2 米/水田政策について
(1) 価格等、所得補償政策について
 戸別所得補償以前のナラシ対策では、下落する米価によって専業農家は大きな打撃を受けた。戸別所得補償制度でやっと一息つけたのだ。米に対する固定支払交付金の半減並びに変動交付金制度の廃止は、大幅な制度改悪である。
 段階的なコスト削減を否定するものではないが、標準生産費を基礎にした価格補填システムを確立し、安定的な経営改善が図れる体制とすること。また、経営全般にかかることであり、水田利活用の作物についての面積および投入時間収益を考慮し、総合的な経営所得安定につながる交付金制度を確立すること。
 
(2) 自給飼料確保対策の強化について
 飼料米、飼料稲の作付強化、特に飼料米への誘導対策が講じられているが、飼料米、飼料稲の流通、保管等の需要対策に対するさらなる拡充が必要である。
 畜産の存続のためには、安定的な自給飼料の確保とコストダウンが大きなカギとなる。そのために、水田利活用によるコーン等自給飼料作物への支援措置の強化を含めた総合的な自給飼料増産体制を強化すること。


3 農地中間管理機構の集積事業について

(1)地域の担い手、振興プラン
  兼業農家や集落機能も尊重し、多様な担い手による地域営農の持続可能な体制の確保を求める。とくに、中山間地域の条件不利地域は、水利、鳥獣害対策、畦畔草刈等、地域ぐるみの保全が必要であることを念頭に、新規就農、集落営農、地域の農家を主体とした広域農業生産法人など、多様な担い手育成を前提として取り組むよう指導すること。

(2)中山間地対策の強化について
1 中山間地域の基盤整備事業は、高い負担と整備後の生産性はつり合いが取れない。そのため、小規模基盤整備も含め、受益者の負担が重くならないように他事業の併用、補助率の変更などを検討すること。
  2 厳しい局面にある条件不利地域を含めた中山間地域では、人・農地プラン作成の上でも、集落営農組織の育成強化は重要である。育成および地域に合った支援体制に取り組むこと。
  3 中山間地域では土地所有者の高齢化や死亡により、耕作放棄地化が急速に進む懸念がある。農地の利用権設定を含めた管理体制の強化、有効活用の促進のための支援措置として、集落営農法人の土地管理機能を強化するための対策を具体化し、法人運営に対する支援対策を強化すること。

(3) 畜産自給飼料基盤の強化について
 畜産の自給飼料体制や放牧体制を強めるため、農地中間管理事業のシステムの改善と整備事業について強化すること。
 

4 日本型直接支払制度について
(1)制度設計について
 水田面積が計算基礎とする現行制度は、一層の保全管理コストがかかる山間部等狭隘な地域は交付金が少なく、十分な対策がとれない。耕作放棄地解消や営農継続の上でも水利確保・保全、鳥獣害対策を含めた里山管理は非常に重要である。「農業・農村・景観保全対策」として、水田・里山を一体的に管理する直接支払制度を創設すること。
   
(例)水田のための里山管理を対象とし、作業項目により、里山面積に対し最大40000円/10aの直接支払制度の創設。地域のゾーニングを前提として、10ha程度を恒常的に管理する「もり人(レインジャー)を配置し、生産・生活の基盤形成とむらへの定住を促進する。
         作業項目や助成金額は、次の項目で区分(例)する。
     ア 里山の下刈りおよび枝打ちの管理―(管理レベルの設定)
     イ 谷底、水路の管理・草刈り、泥上げ
     ウ 水路の補修
     エ ため池の管理
     オ 鳥獣害対策の実施と効果の状況把握
     カ 放牧等の実施と景観保全―(管理レベルの設定)
     キ 間伐材などの有効利用―(薪、木工、バイオチップ)
     ク 動物との共生(内容と共生のレベルの設定)

 (2)制度の徹底と事務の簡素化
    現行の農地水環境保全から直接支払制度へ変更となると聞くが、多面的な機能とは何を指すのか、現場への説明が不十分である。そのうえで、直接支払制度として所得の補完処置の位置づけもある中、すべての地域が授受できるように取り組むこと。 

5 担い手・若者の定住対策等の農村政策について

(1)農業、林業、集落機能の維持には、次の世代の確保は急務である。次世代に焦点を当てた産業政策、住環境政策、教育福祉政策等の総合的な地域定住政策のために、山間地・条件不利地域での定住促進を図る総合的な定住制度、環境直接支払・所得補償制度を、農村政策として検討すること。
(2)総務省の地域おこし協力隊に準じた、農村に定住する若者の人件費・活動費への活用が出来るような事業を創設すること。

6 酪農畜産対策について 

 畜産政策については、飼料高騰・経営悪化・飼養農家の減少、さらには生産量すら減少しているという危機的な状況にあることから、自給飼料体制の基盤整備と生産体制の強化、新マルキン等畜産物価格補填体系の見直し、餌基金等の整備など、水田利活用と連動した自給飼料体制、酪農畜産が持続できる諸施策、畜産の担い手対策など諸施策を強化すること。

7  鳥獣害対策について

(1) 近年の鳥獣害は、農林業の被害に留まらず、人が住む環境すら脅かしかねない状態にある。そのため、
地域の特徴を踏まえた里地・里山対策等の抜本的な対策を強化するための十分な予算措置など、緊急かつ一律を求めない柔軟な対応がとれる対策を取ること。
 
(2) 間伐材を防御柵として利用する。その促進や補助率を向上すること。


                                              以 上

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

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