Home  »  活動報告  »  意見書・要請書・見解など  »  2015年4月1日 農林水産省要請書

2015年4月1日 農林水産省要請書

意見書・要請書・見解など

ソーシャルブックマーク : このエントリーをYahoo!ブックマークに追加 このエントリーをニフティクリップに追加 このエントリーをはてなブックマークに追加 このエントリーをlivedoorクリップに追加 このエントリーをBuzzurlに追加 このエントリーをイザ!ブックマークに追加 このエントリーをFC2ブックマークに追加 このエントリをdeliciousに追加

2015年04月01日

農林水産大臣
    林 芳正 様

全日本農民組合連合会
会長 斎藤孝一


要 請 書

 政府の農業政策は、農業協同組合や農業委員会への「改革」の強行、また農業生産法人の要件緩和や国家戦略特区での農地法の扱いなどの経過をみる限り、企業の農業・農村分野への進出の地ならしや条件整備、農地の企業所有に道を開くものにつながるものと言わざるを得ません。
 現在、高齢化等による農業・農村の担い手が大きな課題となっていますが、戦後の農業・農村において、農業協同組合の組織や小規模農家、そして家族経営が担ってきた役割は大きく、地域における相互扶助などの在り方は、現在の日本社会にあっても、重要な要素です。決して新自由主義的な競争原理や資本の論理で、守られる農業・農村ではありません。
 一方、農業分野での成長戦略として、グローバルバリューチェーン等、国際化をにらんだ食料・農業戦略が唱えられ、農業・農村の所得倍増が掲げられていますが、このことによって、地域の農業や関連産業、特に条件不利地帯の農業が守られ、農家の農業所得の増加につながるとは言えません。
 今年は食料・農業・農村基本計画が改定されますが、今ほど農業・農村現場が混乱し、農政への信頼が揺らいでいる時代はありません。まったく先の見えない状況に置かれているといっても過言でなく、真に農業者や農村地域社会を守る立場に立った農業・農村政策の確立を求めます。つきましては、下記事項の実現を強く要請します。
 
 
TPP交渉について
TPP交渉にあたっては、最低限の条件としての国会決議にある「農畜産物の5品目の死守」、医療制度の堅持、ISD条項の排除、食の安全確保などが守られないことは明らかであり、決議に基づき、即時TTP交渉から撤退すること。また、これまでの交渉内容を明らかにすること。
 
 
水田政策、農地政策、地域政策等の総合的な検証と確立を行うこと。
そのため、以下の事項を実現すること。
1 水田・米政策について
(1) 米の経営所得安定対策を強化すること。過去、現行のナラシ対策実施時に米価下落の進展により、戸別所得補償制度、経営所得安定制度へ改善された経過がある。所得経営安定のため、生産費を基準とした所得補償制度を確立すること。
(2) 「人・農地プラン」等の樹立については、地域全体の活性化、水田の有効活用を徹底するための助成措置と推進体制支援を講ずること。
特に、水田機能の維持のための、里山や水利対策、鳥獣害対策、耕作放棄地対策、担い手の所得対策など総合的な政策とすること。
(3) 水田の利活用対策については、米以外の穀物、果樹、野菜、畜産のための自給飼料など、主要な作物の作付面積を設定し、利用を安定的に確保・維持するための総合的な農畜産物の価格政策・担い手の所得政策、さらに生産支援対策を講ずること。

2 農村地域政策について
(1) 農村地域のあらゆる資源と力の結集が必要であり、集落営農等地域の従来の資源、人材の活用と育成、農協等の協同組合組織の積極的な活用、生産・消費両者の連係組織など、多様な担い手の確保と育成を図ること。
(2) 資金の活用や人材の活用のための農村支援システムを検討すること。また、農協等への規制を緩和し、農協・農業者の資金、農村の資金が地域のために活用できるよう他部門運用比率等の規制を撤廃すること。
(3) 地域の総合的な農業生産力強化・付加価値部門の強化、販売強化を位置づける制度設計を行うよう支援すること。その場合に、経済や資金の地域循環と活性化、雇用の拡大、若者の定住等を柱として、地域の主体的取組みを応援するものとし、計画設計のためのソフト事業、実施のためのハード事業の助成措置を講ずること。

3 環境保全政策について
(1) 若者を含めた定住を促進するため、水田のみならず里山を含めた直接支払制度を強化すること。とくに、山間部は水田が少なく狭隘な地域が多いことから、交付金も少ない。耕作放棄解消と営農継続のためにも、水利確保・保全、鳥獣害対策などの里山保全管理強化のための支払い制度を設けること。
(2) 農業生産法人の機能に、農地管理、里山管理等、農用地の管理法人的な機能を付与し、農業従事者のみならず、消費者・地域住民・学童などの農的生活の体験、食農教育など、国民的な活動を活発にすること。そのための支援も講ずること。
(3) 農村での再生エネルギーによる地域経済の活性化と雇用等の安定を図るための政策を強化すること。企業や行政編重ではなく、第1次産業従事者によるバイオマス等のエネルギーの生産と活用を促進させ、雇用と所得の安定を図ること。

4 酪農・畜産政策について
(1) 畜産政策については、飼料価格高騰・経営悪化・飼養農家の減少という危機的な状況にあることから、自給飼料体制の基盤整備と生産体制の強化、新マルキン等畜産物価格補填体系の見直し、餌基金等の整備など、酪農畜産が持続できる諸施策を強化すること。
(2) 地域の酪農畜産の振興を図るために、畜産クラスター事業の積極的な推進とあわせ、万全の予算措置を講じること。
(3) 自給飼料増産対策については、水田での飼料稲・飼料米のほか飼料用トウモロコシの増産強化対策、里山・水田での放牧の取組み、鳥獣害対策の強化、水田・樹園地・里山等の飼料生産基盤への転換促進、農地中間管理機構等による集積事業との組み合わせによる利用促進対策など、総合的な取組みを強化すること。
(4) メタン発酵等を利用したバイオマス発電による再生エネルギーの活用、さらには消化液利用による循環型農畜産業の推進のための研究や推進体制を強化すること。また、耕畜連携強化のための堆肥等の製造およびストックポイント設置、利用施設や機械等の助成措置を強化すること。
(5) 酪農畜産の担い手や組織の育成強化として、コントラクター、TMRへの取組みと支援、さらに新規就農者等への研修や育成制度を充実すること。
(6) 牛乳・乳製品及び牛肉等の消費拡大、および生産と消費の連携強化について、以下の事業への支援を強化すること。
    ア)学校給食での牛乳助成の強化。イ)教育ファーム制度、食農教育施設、体験施設などへの支援・助成。ウ)アンテナショップ等の設置。エ)消費者との交流、生産地への受入支援など。

    

このページのトップへ