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東日本大震災および福島原発による農業等の被害対策に関わる要請書

意見書・要請書・見解など

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2011年04月06日

全日農は2011年4月6日、鹿野道彦農林水産大臣あてに、東日本大震災および福島原発による農業等の被害に対する要請書を提出しました。要請書の内容は下記の通り。

 東日本大震災および福島原発による農業等の被害対策に関わる要請書 東日本大地震については、幾多の人命を奪い、計り知れぬ甚大な損害をもたらした。まさに未曾有の災害であります。心から被災者の方々にお見舞い申し上げますと共に、一刻も早い救援と復興に向けた取り組みがなされることを祈念するものであります。 

 今回の災害においては、罹災者の方々はむろんのこと、国民全体が厳しい惨状をうけとめ、もう一度、地域を、国土を、自分達の大切なふるさとを、国民全体の手で再興することを、決意しなければならないものと考えます。そして、世界的な食料情勢・気候変動等を考えれば、自給率向上による安定的な食料確保と農業・農村政策は、今回の災害に関わらず、国家としての基本的課題です。今般、グローバル化の潮流の中でTPP参加などが叫ばれていますが、この際、基本にたちかえり、食料・農業・農村基本計画に沿った政策展開こそ重要となっています。

 今回の災害の復旧・復興にあたっては、地域の条件を生かした地域自給・自立を基本に、自然環境と共生しつつ、災害(人災)を引き起こさない地域作りを基本とすることが必要です。そのために、グローバリズムではなく、地域力(ローカリズム)を基本とした復旧・復興計画を進めることこそ、大切になっています。 そうした上に立ち、どん底にある農家に対し、生産手段の農地等の復興、農業機械の導入や生産システムの確立支援、さらには、戸別所得補償対策など、下記事項について、万全を図られたく要請いたします。

<震災対策等について>

1 .被災者および被災地域の人命救助を最優先とされるとともに、とくに食料・水などの確保等ライフラインに係る物資の供給には万全の対策をお願いしたい。

2. 世界的な食料高騰など危機的な状況の中で、自給率の向上などの取り組みが進められていますが、今回の被害は、生産基盤や生産力に対しても甚大な影響を与えると懸念されます。そのため、被災地域以外でも、交通や流通、出荷体制、作付け体制など、多くの混乱が生じると想定されることから、関東・東北地方の直接的な被災地域以外を含め、生産基盤と生産力を維持確保するための対策を講ぜられたい。

3 .被災地域においては、都市計画もさることながら、まさに、ふるさとを取り戻す不退転の取組が必要であり、それは水田・農地のみならず、地域の自然と景観も含めた農村の再生、農村社会の人のつながりを含めた復興が肝要です。そのため、水田・畑の基盤整備対策、農村での雇用確保、さらに、集落での営農と助け合いの生活システムの確立など、被災地域が元気に復興にとりくむことのできる総合的な対策を講じられたい。

4 .とくに、基盤整備等と併せて、雇用と生活基盤確立の上でも、政府の打ち出されている6次産業化による地域での経済活動の活性化が大切であります。農業生産から、農村再生のため6次化産業、更に、重要なのは、原子力発電から、農村の水力・風力・太陽光などの自然エネルギー重視への政策転換です。被災地域での6次産業化としてのそうしたエネルギー産業を振興政策として展開し、地域振興と雇用対策を強化して頂きたい。

5. 激甚災害をはじめ、農業者の基盤復旧対策とあわせ、復旧までの間の収益皆無への補償対策なども検討されたい。今回の災害は、生産手段すら剥奪され尽くしたものであり、生活手段すらない中で、農業者および林業者・漁業者への所得政策も検討されたい。とりわけ、農業災害補償と戸別所得補償制度の両輪で、自給率の向上や安定的かつ持続的な農業経営を目指す観点から、今回の災害での水稲・畜産など農畜産物関連での所得補填対策を特別処置で講じられたい。

6 .国内食料の自給率維持を図るため、震災のない西日本地域を中心に、米の生産調整目標の調整、耕作放棄地や不作付地での作付けや二毛作生産を奨励すること。

7. 「復旧・復興計画」の策定に当たっては、森・河川・海も含め、自然条件、地域条件等、全体を考慮した地域全体のグランドデザインを持つこと 。

8. 「復旧・復興計画」は、被災地域の農民、住民の意向を第一に進めること。また、農地等の復旧工事や整備を進める際には、農林漁業者をはじめ地元住民・地元企業の雇用促進に結びつくようにすること。

9 .農地の復旧が長期間にわたる地域については、国や自治体等による農地等の一時買い上げなどの中長期的な支援策を進めること。

10 .津波による塩害対策を含めた計画を策定すること。

11 .公共施設の復旧・整備にあたっては、国産木材の使用を進めること。

<原発事故対策について>

1 .福島原発事故に伴う農畜産物の出荷停止等の被害を受けた農家や関係事業者に対する全額補償はもとより、出荷自粛した農畜産物に対しても同様に補償すること。また、風評被害により価格が下落したり、販売ができなくなった場合も、公的機関による緊急買い上げを実施するなど万全な措置を検討すること。

2 .放射性物質の汚染の検出にあたっては、地域や営農形態を細分化して、検査・判定を頻繁に行い、結果の周知徹底を図り、適切な対応をとること。

3. 避難などにより営農継続が困難になっている地域については、休業補償や農畜産物・家畜等に対する補償を速やかに行うこと。

4 .放射性物質が検出される地域においては、人体への影響がない範囲で、できるだけ放射性物質を吸収する作物(ナタネやヒマワリなど)を作付けて、土壌を汚染から防護する措置を講じられたい。また、これらの作物からバイオ燃料を作るなど、有効な活用も進めること。

5 .放射性物質の被害が深刻な地域の農地については、今後、代替地の確保や土壌の入れ替えなどの措置を進めること。

6 .これまで有機農業や環境保全型農業を進めてきた農家に対して、再びそうした認定を受けるまで、特別な補償を行うこと。                  

以 上

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