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農林水産省要請書(2019年1月25日)

活動報告

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2019年01月25日

農林水産大臣
  吉 川 貴 盛 様

要 請 書

        全日本農民組合連合会
会 長  斎藤 孝一
 
 昨年、アメリカ抜きの環太平洋経済連携協定(TPP11)が批准され、12月30日に発効しました。また、日本とヨーロッパ連合との経済連携協定(日欧EPA)の批准も行なわれ、2月1日からの発効が予定され、「メガFTA」がいよいよ現実のものとなりました。さらに、日米間では、実質的な自由貿易協定となる物品貿易協定(TAG)交渉が行われようとしており、いずれも日本の農林水産業に大きな打撃を与えるものです。
 その一方、昨年4月から、コメの生産調整の数量目標配分や生産調整に参加した農家への直接支払交付金の廃止、「主要農産物種子法」の廃止などで、現場の農業者には、大きな不安が渦巻いています。これは、農業の多面的機能を軽視し、農村地域を支えてきた多様な担い手を切り捨て、食料自給率のさらなる低下につながるものです。
 昨年12月の国連総会では「小農の権利を守る宣言」が採択され、家族経営などを正当に評価し、食料主権や種子の権利などが盛り込まれました。また、2019年から国連「家族農業の10年」が始まり、国際的には家族農業を含めた多様な農業の重要性が確認されています。
 ついては、農業者や農村地域社会を守る立場に立った農業・農村政策の確立を求め、下記のとおり要請します。
 
一 通商政策について
(1)TPP11および日欧EPAが国内農林水産業や食料自給率に影響を与えることのないよう、万全の施策をとること。
(2)米国のTPP復帰が見通せない中で、TPP11協定の農畜産物関係の条項の見直しを速やかに行うこと。
(3)日米物品貿易協定(TAG) が日本の農業にさらに打撃を与えることのないようにすること。また、交渉内容を明らかにし、農民との合意形成を図ること。
(4)RCEPなど他の通商交渉についても徹底した情報公開を行うこと。
 
二 水田・米政策について
(1)米の経営所得安定対策を強化すること。過去、現行のナラシ対策実施時に米価下落の進展により、戸別所得補償制度、経営所得安定制度へ制度改善された経過がある。所得経営安定のため、生産費を基準とした所得補償制度を再度確立すること。収入保険制度についても、各品目・分野別の所得補償制度を補完し、経営安定に資する制度として、農家が自由に選択できる制度として充実すること。
(2)水田の利活用対策については、米以外の穀物、果樹、野菜、畜産のための自給飼料など、主要な作物の作付面積を設定し、利用を安定的に確保・維持するための総合的な農畜産物の価格政策・担い手の所得政策、さらに生産支援対策を講ずること。
(3)コメの生産調整については、国の責任において実施し、生産者への総合的な政策の確立を図りつつ、食料自給率の具体的な向上対策を明示するとともに、国民への食料政策を確立すること。
(4)中山間地域においては、自然災害や人口減少のなかで、営農継続の基礎条件として鳥獣害対策および水利・治水対策が重要な課題なっている。農業基整備・インフラ政策の一環として同課題の抜本的かつ中期的対策を講じること。
(5)廃止された「主要農産物種子法」に代わる公共品種を守る法律を制定すること。また、「種苗法」の改悪を行わず、農家の種の自家採取の権利を守ること。
 
三 農村地域政策について
(1)高齢化と人口減少の危機に直面している農村部において、農村地域のあらゆる資源と力の結集による地域の存続が喫緊の課題となっており、集落営農等の地域の従来の資源、人材の活用と育成、農協等の協同組合組織の積極的な活用、生産・消費両者の連携組織、また家族農業、兼業を含む中小農業者など、多様な担い手の確保と育成を図ること。
(2)若者を含めた定住を促進するため、水田のみならず里山を含めた直接支払制度を強化すること。とくに、山村部は水田が少なく狭隘な地域が多く、交付金も少ない。耕作放棄地解消と営農継続のためにも、水利確保・保全、鳥獣害対策などの里山保全管理強化のための支払い制度を設けること。
(3)農業生産法人の機能に、農地管理、里山管理等、農用地の管理法人的な機能を付与し、農業従事者のみならず、消費者・地域住民・学童などの農的生活の体験、食農教育など、国民的な活動を活発にすること。そのための支援を講ずること。
(4)農村での再生可能エネルギーによる地域経済の活性化と雇用等の安定を図るため、企業や行政偏重ではなく、第1次産業従事者によるバイオマスやソーラーシェアリング等の再生可能エネルギーの生産と活用を促進させ、経営の安定に資する仕組みを強化すること。
(5)国連の「小農の権利を守る宣言」や「家族農業の10年」などの周知を図り、それを体現する施策を進めること。
 
以  上

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